もしものときの生活再建入門|番外編・住宅の応急修理制度「一部損壊」への拡大

知っていますか? 被災時の支援制度。その仕組みを知ることも、大切な災害対策です。

 

本連載で取り上げてきた支援制度が、2019年の台風被害を受けて一部変わりましたので、番外編としてお伝えします。

すでにニュースなどで報じられたとおり、災害救助法に基づく被災住宅の応急修理制度について、「一部損壊」でも最大30万円が公費補助されることになりました。これまで「大規模半壊」と「半壊」が対象で、1世帯当たり最大58万4000円(消費税増税で今年10月から59万5000円に増額)だった補助の枠組みが、広がったかたちです。

契機となったのは、2019年の台風15号で、千葉県を中心に家の屋根が暴風で吹き飛ばされる被害が続出したことです。そのほとんどが一部損壊で支援対象外となってしまうため、国は災害救助法の告示を同年10月23日付で改正しました。

ただし、この措置は一部損壊のうち、損害割合が10%以上、20%未満の場合に限られます。また、業者への修理依頼や支払いは市町村がするため、被災者が業者と直接契約したり、支払いを済ませたりした工事は対象外。さらに、応急修理を受けると応急仮設住宅を利用できなくなります。これは災害救助法が「現物支給」を原則としており、水や食料と同等に住宅の応急修理も日常生活における必要最低限度で支援する、という考え方だからです。

しかし、この枠組みではまだ救われない被災者も出ることから、千葉県の台風被害では国土交通省所管の防災・安全交付金を活用して、損害割合が10%未満でも30万円以内(工事費の20%)で補助されることになりました。その他にも市町村が独自の支援事業を設ける場合もあるので、お住まいの自治体によく問い合わせてみましょう。

今回の追加措置で、被災者生活再建支援法に基づく全壊、大規模半壊への支援金(「現金支給」)と合わせ「切れ目のない支援」になると国は強調します。しかし、そもそも法の適用が市町村の枠組みや被災程度で決まってしまう問題があります。今後も支援制度に関心を持ち、被災者の目線で改善を求めていくべきでしょう。

 

文=関口威人 イラスト=飯川雄大
2019年11月発行『震災リゲインプレス』第31号より)


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