もしものときの生活再建入門|第6回・仕事の被害や再開で困ったら

知っていますか? 被災時の支援制度。その仕組みを知ることも、大切な災害対策です。


災害は自宅での暮らしだけでなく、仕事にも大きな影響を及ぼします。自営業者や中小の企業経営者はもちろん、会社に勤める人たちも困らないように制度を知っておきたいものです。

もし災害で勤務先が被害を受けて倒産したり、自分が解雇されたりしたら…。未払い賃金がある場合は、国から賃金が立て替え払いされる「未払賃金立替払制度」があります。満額ではなく、未払い額の8割が基準ですが、倒産前でも事業再開の見込みがない「事実上の倒産」に適用される場合があります。まずは最寄りの労働基準監督署に相談してみましょう。

労働基準監督署では、けがなどで働けなくなった場合の労災保険の請求もできます。一方、勤務先は存続しているが解雇されてしまったら、失業給付金が下りる可能性があり、その場合の窓口はハローワークです。

中小企業が事業を再開したいとき、まず考えたいのが 「グループ補助金」。正式には中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業といい、その名の通り被災した中小企業が2社以上のグループで復興事業計画をつくり、都道府県の認定を受けると施設復旧費用などの最大4分3の額が補助される制度です。

被災地の経済、雇用の早期回復を促す目的で東日本大震災から特例措置され、その後は熊本地震、西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で適用されています。まだ適用判断が都道府県の線引きにもよるという課題はありますが、適用された地域ではぜひ活用を検討するべきでしょう。

その他、日本政策金融公庫が直接被害だけでなく、間接被害や風評被害を受けた事業者に対する融資制度を設けたり、信用保証協会が通常より有利な条件で保証したりする制度があります。商店街が被災した場合にアーケードの改修や「にぎわい創出」に補助金が出るケースもありますので、都道府県や中小企業庁によく確認してみましょう。

文=関口威人 イラスト=飯川雄大
2019年5月発行『震災リゲインプレス』第29号より)


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