もしものときの生活再建入門|第4回・災害に関する保険の活用と注意点

知っていますか? 被災時の支援制度。その仕組みを知ることも、大切な災害対策です。

被災地では「お金のことは保険会社に任せてある」という人たちの声をよく聞きます。実際、災害後に地震保険や火災保険を申請する件数が、自治体の把握する被害件数より多くなる場合があります。保険による補償は対象が広く、受け取れる可能性のある金額も多いのが現実だからです。

自治体が罹災証明書を出すときの家屋被害判定は「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」の4区分ですが、被災者生活再建支援法災害救助法で最大300万円の支援金や最大58万4,000円の応急修理費用が出るのは「半壊」以上。「一部損壊」の家屋には原則、支援がありません(災害減免法で所得税が軽減されることなどはあります)。

これに対し、地震保険では保険会社が「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分を認定。支払われる保険金額は建物で5,000万円を上限として、契約金額のそれぞれ「100%」「60%」「30%」「5%」。つまり「一部損」でも、ある程度の支払いがあります(ただし被害額が建物の時価の3%以下だと対象外)。ですから「まずは保険」で間違いないのですが、公的支援もできるだけ役立てるべく、申請できるものはしておきましょう。

なお地震保険は、政府による再保険が後ろ盾となる制度です。契約は火災保険とセットでするのが原則。その火災保険は、地震や噴火以外の台風などの風水害による被害も補償しますが、「床下」浸水は補償されず、水没した車の被害も対象外(車両保険でカバー)など分担があります。

一方、災害後に訪ねてきた修理業者が「台風で壊れた屋根を保険で直しましょう」と言って修理したものの、実際は保険対象外の老朽化部分だったという詐欺的なケースも。最近はこうした悪質業者によるトラブルが増えているとして、国民生活センターなどが注意を呼び掛けています。

災害への備えに保険は欠かせませんが、加入時も被災時も、契約内容を保険会社や代理店によく確認し、トラブル時には最寄りの消費生活センターなどに相談しましょう。

作成:震災リゲイン(日本損害保険協会のサイトなどをもとに)
  • 地震保険の対象は居住用建物(店舗併用住居含む)および家財
  • 地震保険は火災保険とセットで契約するのが原則
  • 火災保険は台風などの風水害をカバー、ただし補償範囲はさまざま
  • 災害後の悪質業者に注意。トラブルがあれば消費生活センターに相談を

文=関口威人 イラスト=飯川雄大
2018年11月発行『震災リゲインプレス』第27号より)


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