もしものときの生活再建入門|第3回・災害救助法と被災者支援の関係

知っていますか? 被災時の支援制度。その仕組みを知ることも、大切な災害対策です。

大きな災害の発生時に、「災害救助法が適用された」とよく耳にするようになりました。同法は戦後すぐに施行された、災害時の自治体の対応を定めた基本的な法律です。

同じく大災害時に適用される法律に、本連載で前回紹介した「被災者生活再建支援法」があります。災害救助法が発生直後の応急救助を対象とするのに対し、被災者生活再建支援法はその後の復旧、復興を対象にします。また被災者から見ると、前者が主に「モノの支給」に関する法律、後者は「おカネ」に関する法律との見方もできます。どちらも行政の区割りが適用基準です。ただ、そのため市町村の境で適用される区域とされない区域が出てきてしまうのが課題です。

災害救助法が適用されるには、人口5000人未満の市町村なら30世帯以上の住家が「滅失」した場合、などの細かい基準があります。しかし、被災直後に正確な住家被害を把握するのは困難なため、実際には「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じた場合」という規定で広く適用しているようです。

法が適用されれば、救助の実施主体が市町村から都道府県に移ります。そして、国が費用の大半を負担することを前提に、避難所や応急仮設住宅の設置、食料や衣服の提供、住宅周辺の土石の除去などが行われます。

住宅の応急修理には1世帯当たり最大58万4千円が公費で支出されます。工事は被災者に代わって自治体が業者に依頼します。ただし、被害は大規模半壊または半壊で、応急仮設住宅を利用しないなどの条件が付きます。

住宅ローンなどが残っている場合、災害救助法の適用地域では「自然災害債務整理ガイドライン」に基づき金融機関などで手続きをすると、ローン免除や減額の可能性があります。同法適用地域外での例外的認定もあり得るので、まずは最寄りの弁護士会などに相談しましょう。

災害救助法の特徴
  • 実施主体は都道府県
  • 発生直後の応急救助が対象
  • 行政区割りごとに適用
  • 救助の種類は以下の10種類
    1. 避難所、応急仮設住宅の設置
    2. 食品、飲料水の給与
    3. 被服、寝具等の給与
    4. 医療、助産
    5. 被災者の救出
    6. 住宅の応急修理
    7. 学用品の給与
    8. 埋葬
    9. 死体の捜索及び処理
    10. 住居又はその周辺の土石等の障害物の除去

文=関口威人 イラスト=飯川雄大

2018年8月発行『震災リゲインプレス』第26号より)


Share this: