もしものときの生活再建入門|第1回・罹災証明書 「はじめの一歩」の重みある書類

知っていますか? 被災時の支援制度。その仕組みを知ることも、大切な災害対策です。

「罹災(りさい)証明書」は、災害による家屋被害の程度を証明する書類です。これは生活再建支援金や義援金の受け取り、税金や公共料金の減免、各種融資などさまざまな申請に必要となる、または活用できるものです。まさに生活再建の「第一歩」を踏み出すために欠かせない書類なのです。

ただし自動的に手続きが始まるわけではなく、被災者が自ら申請をしなければなりません。災害対策基本法に基づき、被災地の市町村長が定められた調査を経て被災者に交付します。申請書と印鑑、被害状況がわかる写真など、申請に必要なものは自治体に確認を。

申請から交付までには通常、数週間から1か月以上かかります。特に小さな自治体では調査や交付事務にかかわる人手が限られ、庁舎が被災する場合などもあり、スムーズにいかないことを見込んでおきましょう。

作成:震災リゲイン(内閣府「罹災証明書の概要」をもとに)

申請後は、市町村の職員が現地を訪ね、地震と水害、あるいは風害の各基準に沿って家屋の被害認定調査をします。被害の程度は「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などの区分で判定され、この違いにより、後に受けられる支援内容が異なる場合があります。

認定調査は、主に外観の目視による「1次調査」と、壁や柱の傾きを実測するなどの「2次調査」に分かれ、1次調査の認定が2次調査で変わる可能性も。さらに不服があれば再調査を依頼できます。

なお、この調査は建築士らが二次被害を防ぐため、建物に「危険」「要注意」といった札を貼って回る「応急危険度判定」とは違うことにも注意してください。

また、名前がよく似た「被災証明書」や「罹災届出証明書」もありますが、これらは建物の被害認定調査は行わず、その「人」が被災した事実や、被災を「届出」した事実の証明などを目的に発行されます(自治体によってはこの区別に違いがある場合もあり(*注1))。お住まいの地域におけるこれらの申請受付有無と活用方法は、自治体の窓口やホームページを通じて確かめることをおすすめします。

*注1:たとえば大阪市は、自然災害等による被害があったことが認定された家屋に対して、各区役所で発行する証明書を「被災証明書」とし、火災による被害について、消防署が発行する証明書を「り災証明書」としています。

文=関口威人 イラスト=飯川雄大
2018年2月発行『震災リゲインプレス』第24号より)


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