行政の取り組み|復興庁

「黒子」役に徹し復興主体を支える官庁

水平線から昇る日の丸をシンボルマークに、復興庁が発足したのは2012年2月10日。東日本大震災からの復興に、国を挙げて取り組むための特別な組織だ。

「庁」ではあるものの、内閣に直属。総理大臣と復興大臣(現在は竹下亘大臣)、3人の副大臣らの下、東京の本庁と東北3県の復興局、6つの支所(宮古、釜石、気仙沼、石巻、南相馬、いわき)、福島の帰還環境整備センター、さらに青森、茨城の事務所などで職員約690人が働く。

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復興庁本庁でインタビューに応じる海老原諭参事官

ただし、「この人数でできることは限られている」と海老原諭参事官は認める。

復興庁の“表”の任務は、復興に関する国の施策の企画、調整と実行、そして市町村などに対する一元的な窓口役。しかし、復興の主体はあくまで地元の自治体や企業、NPOだ。そうした関係先への予算措置はもちろん、現場でひざ詰めになって生の声を聞き、住民や関係者同士がつながり合える「場」をつくる。海老原参事官自らは「黒子」役と呼ぶ“裏”方の仕事が実務だといえる。

「復興はお金を配って終わりではない。住宅を再建したらその後の暮らしや心のケア、工場を新設したら販路の拡大までが肝心。そうしたことのできる地元や民間の人たちを支援するのがわれわれの役目」

震災4年の今年3月までに、被災地では農地の7割で営農が、水産加工業は8割で業務が再開できるまでになった。ただ、売り上げの回復は建設業で7割超なのに対し、水産・食品加工業は2割に満たないなど、業種別のばらつきは大きい。

そうした被災地の企業と、技術や情報、販路などの豊富なノウハウを持つ大手企業を引き合わせ、さまざまな経営課題の解決に結びつけてもらう「地域復興マッチング『結の場』」と呼ぶワークショップを、復興庁と地元商工会などの主催で3年間に10カ所で開催した。同庁はまた、地域で息長く活動するNPOなどにも、政府の財政支援策をまとめて情報発信し、地元での説明会や全国の団体が集まる会議で周知するなどしている。

最大の難題は福島支援だ。避難区域の運用や見直しを担当するのは経済産業省、除染や廃棄物対策を担当するのは環境省といった分担の中で、「縦割り」ではない各省や機関との連携をさらに深め、取り組みを加速させねばならない。2014年度からは避難区域を抱える12市町村それぞれの担当職員を決め、個別訪問も重ねている。

「被災地全体で災害公営住宅が2万戸、高台移転で復興住宅1万戸が完成予定の今年度は、住宅再建やまちづくりの正念場だ」という海老原参事官。自らも13年度まで岩手県担当として現場の声を受け止め続けてきた経験から、現場本庁をはじめ各局、支所には気軽に連絡をと呼び掛けている。


復興庁連作先

復興庁本庁 Tel. 03-5545-7230
岩手復興局 Tel. 019-654-6609
宮城復興局 Tel. 022-266-2164
福島復興局 Tel. 024-522-8514

http://www.reconstruction.go.jp

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