企業の取り組み|中央復建コンサルタンツ株式会社

3-15-0216_女川広域

2011年6月、国交省は、被災した自治体の復興に向けた取組を支援するため「津波被災市街地復興手法検討調査」を開始。5つの調査(*)を実施した。この業務を遂行するため、土木技術に関する専門知識を持った「技術者」=コンサルタントが、国交省地区担当チームの人々と共に各地に派遣された。

中央復建コンサルタンツの末祐介さん(41歳)は、同6月「市街地復興パターン調査」のため女川へ。10月「復興手法等の検討調査」を実施、翌年3月までに現在の復興まちづくり計画の骨子を作成し、4月からは女川町の発注を受け具体的なまちづくりのための法的整備、許認可など都市計画事業の準備に着手した。新しいまちづくり骨子は僅か数ヶ月の調査分析を元に作成された。

当時役場職員は震災後の激務に追われ、都市計画の技術を持つ人材も不足、町民意向の把握には限界があった。そんな中「女川町復興連絡協議会」(FRK)に出会う。民間有志が主体的復興を検討するため設立した団体で、多世代が参加する。末さんはコンサルタントとして受注した町の業務を遂行する際、町役場との協働に加え、FRKを通し町民の望む復興計画案や、各業界の復興に必要な情報、その他町のニーズを得ながら、町民の声を大切に、計画を進めた。「民間の声を行政計画の中に落とし込むこと」。この技術を持つのがコンサルタントだが、同時に「あれで良かったかは常に悩む。5年、10年後でなければわからない。当時計画した内容をよりよい方向に軌道修正できるよう、町に長く関わりたい」と語る。

現在、末さんらは3社共同の女川町復興まちづくりコーディネーターJVとして、行政や民間が実施する各種事業間の調整を手助けする。各所で新しいまちの造成工事が進む中、大切な部分は専門家の知恵や経験を入れ改善する仕組みが必要と町に提案。行政、民間、技術者、専門家が議論する「デザイン会議」も発足させた。施工中の計画も必要なら更新し、工期短縮や予算削減に繋げる。「初期の混乱した状態から復興のプロセスを見てきたことが、今のいろいろな事業の調整に役だっている」。

中間支援的な役割について聞くと「コーディネーターが役に立っているかどうかは証明が難しい」と謙虚。実際「いた時/いない時」の比較検討が不可能だからだ。しかし、「民間と行政の事業や状況を理解し必要に応じて繋がなければ復興計画策定・実施は困難。柔軟な町行政の対応と、経験を通じた町への理解があり、関わり続けることができた」と実感のこもった感想も聞かせてくれた。

異なる事業や立場の人々の間に立ち、双方を理解しながら繋ぎ役をするコーディネーション=中間支援は必要だ。幅広い知識と経験に加え、「この人達の役に立ちたい」との想いを持つ、中間支援を担う人材育成は急務だ。

 

*(1)被災現況等の調査・分析、(2)市街地復興パターン調査、(3)被災市街地の復興に向けた共通の政策課題への対応方策等の検討、(4)復興手法等の検討調査、⑤調査全体のとりまとめ、で構成。


中央復建コンサルタンツ株式会社

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