被災地NGO恊働センター

広島市安佐南区の梅林小学校で、避難者に足湯を提供するボランティア活動

この夏、70人以上の尊い命が奪われた広島の土砂災害。阪神・淡路大震災以来、西日本で起こった最大級の都市型災害に、神戸を拠点とする「被災地NGO恊働センター」は発生6日目の8月25日からスタッフを現地に送り込んだ。

800人以上が避難生活を余儀なくされる中、メンバーは地元のボランティアセンターと連携し、避難所などで「足湯ボランティア」を始めた。タライ一杯の湯を用意して被災した人たちに足をつけてもらい、手をさすり、軽くもみほぐしながら話を聞く。神戸から始まり、10年前の新潟県中越地震で本格化し、東日本大震災では全国各地の団体が被災者に寄り添う活動の一つとして取り入れた。慌ただしい避難所の中で、ホッとできる空間の提供がストレス緩和につながる。避難生活を続けている方々の口からは、さまざまな声が聞こえてくる。

「避難所は集団生活だからしょうがないけど、音がうるさくて」
「自宅に帰って片付けをしようと思ったけど、何にもできなかった。東北の方の気持ちがわかった」
「住宅の抽選に3回目で当たったんだ。でもいつ引っ越せるかわからない……」

こうした生の声は、マスメディアで継続的には大きく取り上げられない。声なき声を丁寧に拾いながら、復興への手がかりを探っていく。スタッフの頼政良太さん(26)は広島市安佐北区の出身。実家は無事だったが、身近な地域が被災地となった。

「今回の土砂災害は、山を削って造ってきた住宅地で起こりました。復興には長い道のりが待っているでしょう。それは広島の一地域の問題にとどまりません。いま東北で進む高台移転でも同じリスクがあるのではないかと感じます。もう一度、私たちの暮らし方を問い直すべきなのではないでしょうか。広島の復興に関わりながら、自然と共に生きていくライフスタイルを模索していきたいです」

今年は兵庫県内の丹波市でも豪雨災害があり、広島入り直前まで支援をしていた頼政さんは、各地の状況を気に掛けつつ活動を続ける。

センターのもう1つの取り組みの柱は「まけないぞう」と呼ばれるタオル製のぬいぐるみづくりだ。神戸の仮設住宅で、支援物資として届けられた大量のタオルを、手先の器用なおばあちゃんたちがゾウのぬいぐるみに仕立て上げた。それを全国に販売し、仕事と生きがいづくりにつなげる事業だ。東北で盛んに行われた支援グッズづくりの先駆けと言える。東北では岩手県大槌町などを中心に「まけないぞう」づくりを進め、今回の広島ではその一部を避難所の子どもたちに手渡し、喜ばれた。

阪神から20年の節目を目前にした今回の広島災害。震災の教訓と過去の被災地同士のつながりを確認しつつ、一歩一歩復興に向けた活動が続く。


被災地NGO 恊働センター

兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10
Tel. 078-574-0701
http://ngo-kyodo.org/
(旧サイト:http://www.pure.ne.jp/~ngo/

※上記新サイトにて、寄付や会員登録、ボランティア応募も受け付けている。

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