図上訓練で楽しく“防災”リアルに“減災”

写真1

「テーブルに地域の地図を広げてみんなで囲むと、子どもから大人までなぜかやたらとおしゃべりになるんですよ」

減災ワークショップを主催する鈴木光(ひかり)さんに、地図上で防災訓練を行うDIG(Disaster Imagination Game=災害想像力ゲーム)という手法について、お話を伺った。

例えば行政が発行している地域のハザードマップ(災害予測図)を入手しても、一個人、一家族だけでそれを使って何かしようというのはかなりハードルが高い。

「でもこのDIGは“ゲーム”って名前がついているくらいなので、みんなでワイワイ楽しくできるんです」と鈴木さん。

写真2広げた地図に透明なビニールシートをかけ、陸地の輪郭や川に沿ってマジックでなぞり、自分の家の場所にシールを貼る。防災倉庫・病院・消防、何かあったとき頼りになる場所をみんなで確認。反対に、災害時に危険な場所を共有しあう。

「ここのブロック塀の脇、いつも怖いなって思いながら通るんです」
「こんな狭い道、消防車入ってこれないよね」
「もしもこの橋が渡れなくなったら、逃げるとしてもどこで川を渡ればいいんだろう?」。

次に、地図を大正時代のものに取りかえて、そこにさっきのビニールシートを被せる。自分の家が埋め立てられた海の上に建っているのを知り、改めてハザードマップを見ると、液状化を示すエリアとそこが重なっているのが分かる。こうしてやっと、ハザードマップがリアルな地図になっていく。

「古くから住んでいる人が、新しく移ってきた人に、昔はここはこうだったんだよって話し始めるんです。それはつまり、自分たちが暮らしている地域をみんなで改めて見つめなおす作業です。“災害に備える”って言葉で繰り返すだけではなく、具体的なイメージになってそれが腑に落ちるには、その作業が必要なんですね」

ワークショップに参加した人がすっかり気に入り、自分の町内会に持ち帰ってこの企画を実施することがあるそうだ。

「防災の一番のポイントは、どうやって自分ごととして捉えられるか、どうやって自分の身の回りの人たちと助け合えるかです。このDIGのワークショップも、範囲が小規模であるほど効果があります。行政の市区単位より、もっと身近な町内会などで広めたいですね!」

聞き手=中川哲雄


減災ワークショップについてのお問合せは鈴木さんのウェブサイトへ。
http://gensai-workshop.jimdo.com/

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