タイ式マッサージ師・佐藤真紀さん

福島市飯野町の仮設宅で、飯舘村のお年寄りにマッサージ施す佐藤真紀さん
福島市飯野町の仮設宅で、飯舘村のお年寄りにマッサージ施す佐藤真紀さん

仮設入居者の心身を癒す

「避難指示が解除になったらすぐ帰りたい。やっぱり飯舘が一番だもの」

「だったら、しょぼくれてられないね」

佐藤真紀さんはこんなふうに声を掛けながら、お年寄りの腰や肩をほぐす。

笑顔は絶やさないが、ひっきりなしに訪れる仮設入居者の相手は3時間以上、休みなし。終わった後は車の運転もままならないほどぐったりしてしまう。でも、「すっきりした」「また来てね」というお年寄りの笑顔を励みに、2年以上のボランティア活動を続けている。

福島市東部の飯野町出身。中華料理店を営む実家を出て、東京でタイ式マッサージ師として独立してから震災に遭遇した。東京からいったん帰省、実家の店を手伝いながら町内にできた仮設住宅に1人で飛び込み、「マッサージをさせてほしい」と願い出た。以来、東京と福島を往復し、多いときで月に十数カ所の仮設住宅や借上げ住宅などの施設を回ってお年寄りたちにマッサージを施している。「人の役に立ちたい」と思うきっかけを与えてくれた、がんで亡くなった祖母の後ろ姿を重ねながら。

相手の全身をときほぐすタイ式マッサージは、人に「愛情」を込めて接する手段。タイまで通ってその道を究め、さらに医科学的な知識も備えたいとNPO法人「ヘルスカウンセリング学会」の会員となって「公認ソーシャルスキルトレーナー」の資格を取得した。

お年寄りは狭い仮設暮らしで体が動かなくなり、疲れやストレスを募らせる。一方で外部の支援者は減っていくばかり。「地元の人間として安心感を持ってもらえる私は、あくまで個人として寄り添い続けたい。今後はカウンセラーなどの資格も取って1人でも多くの声に耳を傾けながら、マッサージを通じて笑顔を増やしていければ」。


災害メンタル対策を知る

ヘルスカウンセリング学会は、厚労省が推奨するメンタルヘルスの専門家を養成するNPO法人。研修を受け各種資格を取得することで、心理療法士などとして活動できる。災害時の心のケアや被災地へのカウンセラー派遣の相談にも応じる。

Tel: 047-314-1959
http://www.healthcounseling.org/

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